サトシ×カスミ  バレンタインらくがき and S・S



勘違いしないでよね義理なんだから!義理!

チョコの箱(中身入り)を投げつけられました。カスミの愛は少々痛いです。(笑)





サトカス バレンタインSS(上の絵とは全く関係が有りません(爆))


「はいサトシ。コレ…」
今は冬。野宿はきついのでみんなでポケモンセンターに泊まった次の日の朝。
サトシはカスミにピンク色の可愛らしい箱を渡された。


「か、勘違いしないでよね!!ちゃんとタケシやピカチュウの分もあるし…、
義理なんだから!深い意味なんて無いんだからね!」
「………なぁカスミ。……………コレ、何?」
「……………は?」


ぼおっと呆けているサトシから、余りにも見当違いな声が飛んできた。
あまりのことにカスミは絶句する。


「サ、サトシ……。あんたそれ、本気でいってんの…?」
「?ああ……。なんでカスミがオレにプレゼントくれるんだ?」
「…あ〜のねぇ。今日は2月14日でしょうが!!!わかってんの!!!?」
「2月14日……。」
「そうよっ!」
「……オレの誕生日、今日じゃないよ。」
「ちがーーーーーーーーーーーーーーーーーーーうう!!!!!!!」


余りにも察しの悪すぎるサトシにカスミは本気で腹を立てた。
まさかコイツがここまでお子様だったとは。


「ッ〜〜、あのねぇ!!!今日は2月14日、バレンタインデーなの!!!
女の子が好きな男の子にチョコを渡して思いを伝える日!!!そんな事も知らないの!!?
信じらんないわ!!!今までどういう人生送ってきたのよアンタはっ!!!!」


「……女の子が、好きな男の子にチョコを渡す日…?」
「そうよっ!!やっと分ったかしら!?」
「………てことは、カスミ…。」
「…なによ。………あっ…!!!!」


「…かっ、かかかか勘違いしないでよ!!!最初に言ったでしょ!!
義理チョコだって。タケシ達の分もホラ…。」
「でも、義理チョコだって大嫌いな奴には普通渡さないよな?
……カスミはオレの事嫌いじゃなかったんだ…。」


サトシは、どこか安心したような表情で貰ったチョコを眺めた。
カスミはサトシの言葉に少し驚き、


「…?な、なによ。今まで嫌われてると思ってたの?」
「ああ…。だってカスミ、オレが何かするといつも怒るし殴るし怒鳴るしで…。
てっきり嫌われてるモノかと……。」
「そ、それはあんたがいつも見てらんない事ばっかりしてるから…。」


「嫌われてなかったんだ……。よかった。」
「……え?」
「義理チョコでも嬉しいぜ、カスミ。ありがとうな!」
「サ、サトシ…。」
サトシは本当に子供っぽく、嬉しそうにカスミに向かってほほ笑んだ。
おせじとか、建て前は微塵も感じない、心から嬉しそうな笑顔だった。


カスミはいつもサトシのお子さまっぷりを見て呆れているが、
本当に子供だからこそ、こんな風に素直に接してくれるのが嬉しい。
変に大人ぶって、なかなか素直になれない自分にコンプレックスを感じているカスミには、
サトシのそんな姿が何よりも魅力的に思えた。


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「そうか、そういえば2月14日ってバレンタインだっだんだな…。
今まで縁が無かったからすっかり忘れてたけど…。」
「今まで一個も貰った事無かったの?」
「うん。……、そういえばママが、毎年チョコケーキ作ってくれてたけど……。
思えばアレはバレンタインだからなのか……。」
「ハァ…。サトシってホントにお子様ね。
私だって、今まで誰にも渡した事無かったけどちゃんと覚えてたわよ。」
「渡した事無い?じゃあ、これがカスミの初チョコかぁ…。なんか得した気分だな!」
「な、何言ってんのよ!だからタケシ達のぶんもあるって・・・。」
「でも、まだ渡してないんだろ?じゃあコレはカスミの初チョコってことでいいんじゃないのか?」
「……、か、勝手にすれば!」
「へへっ、なんかこういうのって嬉しいよな〜、来年も期待してるぜカスミ!」
「調子に乗らないでよ!!」






こうして、サトシのちょっと嬉しい1日はスタートしたのでした。



END  









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